価値創造コラム:「コミュニティからのイノベーション」
福島正伸先生に学ぶ「起業家精神」 [2]
それで、いろいろと文献を漁ってみた訳なのですが、深い考察の上で起業家精神を定義したものはなかなか見当たりません。
結局、たどり着いたのは、P・F・ドラッカーのこの言葉です。
「しかし(J.B.)セイが『起業家(entrepreneur)』なる言葉をつくって以来、いまだに起業家と起業家精神の定義は確立していない」
これは、ドラッカーの著書の最初の3行に書かれてある言葉ですが、これが真実なのでしょう・・・。
しかし、完全な定義は無いにしても、ほんの少しだけ世の中に出ていた起業家精神の議論をご紹介します。
■起業家とは?
起業家精神の前に、まずは起業家とはなにか?という定義について軽く触れておきます。
起業家という概念は、1700年代からあるようで、経済学者のR.カンティオンが言及しています。
ただ、一番しっくりするのは、ドラッカーも触れているように、1800年代のフランスの経済学者のジャン=バティスト・セイの言葉だと思います。
「起業家は、経済的な資源を生産性が低いところから高いところへ、収益が小さなところから大きなところへ移す」と言っています。
ドラッカーがもう少し手短に言いなおしてくれています。
「起業家とは富を生む力を資源に与える人たち」
なるほど!会社を興すとか、事業を興すというのは、根本的にはこういうことですよね。
資源というのは、人・モノ・金・情報・時間などがありますが、起業家はすでにあるこれらの資源を価値に変えて、お客さんから代金をもらいます。
新しいやり方を使って、今まで富を生まなかった資源が富を生むように変えるのが起業家なんですね。
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■自立型マインドセット〜経営者マインド・起業家精神とは?
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