価値創造コラム:「コミュニティからのイノベーション」
キャズム理論を理解して、
事業をスムーズに立ち上げる [1]
「これ、面白いねぇ」と、すぐ新製品を買ってくれる人は何人かは必ずいます。
でも、その反応を見て「これは行ける」と販売を拡大しても、たいていの場合、期待するのとは程遠いほど売れません。「あんなに絶賛された商品なのに・・・」と、それはもう、ショックを受けるほどです。
それは何故なのか?
実は、オタクや新しい物好きと、普通のユーザーの間には大きな隔たりがあるのです。
“オタク”的な人や、新しいもの好きにしか売れない商品を世に広めようとして失敗する会社は、枚挙に暇がありません。
ジェフリー・ムーアはこの隔たりを「キャズム(深い溝)」と呼んでいます。大きな市場は、このキャズムを越えたところに存在します。
ハイテク分野のマーケティング・コンサルタントであるムーアは、新商品を市場に広めるには、どのような手順が最適なのか、そのプロセスを解説してくれています。
私も ITシステムを作る会社で新規事業ばかりをやってきて、キャズムを超えずに谷底へ落ちていったプロジェクトをいくつも目撃してきました。新規事業に関わる人間が、キャズムの存在をちゃんと勉強していれば、もう少し成功確率は高まるのではないでしょうか。
そういう祈りを込めて、私なりにキャズムについて解説したいと思います。
(1)まず、「テクノロジー・ライフサイクル」とキャズム理論について解説します。
(2)キャズムを超えて、大きな市場を獲得するために、各ライフサイクルにおいて、どういう売り方をすればよいのかをご紹介します。
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