価値創造コラム:「コミュニティからのイノベーション」
キャズム理論を理解して、
事業をスムーズに立ち上げる [4]
■キャズムを超えるには?
キャズムを超えるためには、一言で言うと、
「テクノロジー・ライフサイクルの各段階で、各顧客への対応を変えること」
が必要です。
顧客と言ってもみんな違うんですね。特に買ってくれるタイミングによって、ぜんぜん違う。まるで違う生き物です。
芸能人のファンでもそうですよね。デビューしてブレイクする前から応援してくれるファンもいれば、良い曲が出たときに CDを買うファンもいます。ベスト版だけ買うファンもいます。
芸能人は、外から見ているとブレイク後の活動しか見えません。出した CDがバンバン売れるので、さらに良い作曲家や作詞家がついてくれて、どんどん大きくなっていく。そんな所しか見えないですよね。
でも、多くの場合、本当はブレイク前にコアのファンに育ててもらっているわけです。そういうファンにはバンバン買ってもらうのではなく、色々と意見を聞いたり、こじんまりした誕生パーティをやったり、夢を語ったりしてたはずなんですね。
これは、どんな世界でもそうですし、 ITの世界ではキャズムというものがありますので、最初のお客さんと大きな市場とは対応をがらりと変えなくてはなりません。
それはこんな感じです。
(1)まず、イノベーターに使ってもらって意見を聞く
本当の最初に相手にしてくれるのが、オタクの彼らです。取っ掛かりは大切に。
(2)アーリー・アダプターと一緒に夢を実現する
絶対に達成したい夢を持っている人であることが重要。
この時、足りないものは、作ってしまう。
(3)違和感なく使える状態にして、アーリー・マジョリティに売る
アーリーマジョリティの中の特定のお客様に絞込み、技術的にも業務的にも、無理なく導入できるように、徹底的に商品を作りこむ。こなれた商品になって、事例がある程度できてきた段階で、広く他のアーリー・マジョリティに売り始める。
商品による劇的な改善は必要ない。
(4)面倒なことを排除して、レイト・マジョリティにも使えるようにする
操作がしやすいように工夫する。
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