価値創造コラム:「コミュニティからのイノベーション」
福島正伸先生に学ぶ「起業家精神」 [5]
今振り返ると、部長の立場を見たら当然のことなのですが、当時は、普通に進捗報告をして、問題を挙げていれば、上司は分かってくるものだと信じきっていたのです。
実際、長い間そうして部長もこなしてくれていましたので、安心しきっていました。
それが違うと気づいて、自分の答えを持つ必要が出て来ました。
部長が指示を出しても、それが違うと思ったら指摘する。誰が言ったかではなく、何が正しいかという自分なりの評価軸を持つべきタイミングでした。
必要なのは、要員の確保でした。商品開発に全員が入っていては営業ができない。そのためのチーム構成を図にして、部長に持って行きました。
しかし、チーム構成の中には、上司の位置付けなども含まれていて、「これじゃぁ、越権行為だな。上司は気を悪くするかも」と心配になりました。
一般社員としての、自分の仕事の範囲を超えてるのではないかと思ったのです。
恐る恐る提案を持っていくと、
「うん、いいんじゃないの」
と、上司はあっさりと承認してくれ、要員を確保し、チーム体制を強化してくれました。
そして、「考えてくれてありがとう」という言葉ももらいました。
この時、「分かってくれるだろう」、「他人がなんとかしてくれるだろう」
という考え方はいけないと、つくづく感じました。
もし、このまま部長の指示に従っていれば、チームはつぶれていたでしょう。そして、私は失敗の責任を部長になすりつけたと思います。
他人に依存してしまうと、自分は責任を取らなくて良いかもしれません。言い訳もできるかも知れません。しかし、いつまでたっても成功はできないでしょう。
どんな状況でも、どんな立場でも、「自分がなんとかする」、「自分ならできる」という姿勢で取り組むこと。
これが事業を成功させる起業家精神の一つの要素なんですね。
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